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ウィッグにはフルウィッグからポイントウィッグ、カラーも様々なものがあります。また、安価なものから高価なものまであります。高価なものなどは、本当にウィッグだとわからないようなものもありますよね。

そんな精巧に作られたウィッグは、どのように作成されているのでしょうか。基本的な作成方法から、職人が作る高級ウィッグまで、基本的な作り方を見ていきましょう。

ウィッグはどうやって作られているの?基本的な作り方をみてみよう

ウィッグは、基本的にはウェフティングと呼ばれる、毛を束ねたものをカーテンのようにして繋がった毛束を、ウィッグキャップに縫い付けて作っていきます。こちらは主にマシンメイドのウィッグを作る際に使われる技法です。またドールウィッグなどはこの製法が主になります。

一方高級ウィッグになると、熟練の職人さんたちが一本一本手で毛やファイバーを植毛する、手植えの方法がとられている場合が多いのです。それではウィッグの基本的な作り方を見ていきましょう。

人毛やファイバーなどの毛質選びから始まるウィッグ作り

まずはウィッグの毛をどのような材質で作るのかを選びます。人毛かファイバー製(人工)の毛かを選びます。

人毛は人間の髪の毛でできています。髪があるうちに、自分の毛をストックしておいて作る方もいますが、日本で出回っている人毛はほとんど中国の方の髪の毛です。

染色や薬剤の処理を行った後にウィッグの材料として使われます。ウィッグ用に人毛の加工処理を極力行わないレミーヘアーというものを、高級ウィッグでは使用する場合もあります。

人毛で作る場合、やはり自然であるという利点があります。自然なツヤ、キューティクルがあるところが、ファイバーとは異なります。また、自毛のように扱うことができ、ドライヤーやコテなども使用することができ、カラーリングもすることができます。

しかし、毎朝のスタイリングなどは自毛と同じようにしなければなりません。一度濡れると乾きにくく、湿度の高いときはスタイリングが面倒になってしまいます。また、ファイバー製に比べると価格が高くなってしまいます。

一方ファイバー製の毛は人毛に比べ比較的安価に手に入れることができます。ファイバー製の毛は主にアクリル繊維などの化学繊維でできており、「非耐熱性」と「耐熱性」があります。

非耐熱性ファイバーは熱に弱く、ドライヤーやコテを使うと縮れるなどして、繊維が傷んでしまいます。
耐熱性ファイバーはある程度熱に耐えることができますので、髪型をアレンジする方などは耐熱性ファイバーを選ぶと良いでしょう。
しかし、耐熱性でも限度がありますので、何度まで対応しているかは確かめておくことは重要です。

さらに近頃ではより人毛に近づけたファイバーが新たに開発されています。ウィッグ特有のテカリを抑え、静電気やもつれ縮れを防止する加工を施したものもあります。
ファイバー表面にわざとデコボコ加工を施すことによって、リアルな陰影や質感を表現する工夫や、人毛に近い細さに近づけるようにしたり、ファイバーの質は各ウィッグメーカーの研究によって年々向上しているように思われます。

ファイバー製でも高価なものを選べば、より人毛に近い質感で、お手入れも楽です。安価なものでは、不自然なテカリなどでウィッグだとバレやすく、ファイバーの質が悪いと長持ちしないなどというデメリットがあることを覚えておきましょう。

耐熱ファイバー

ウィッグ作りに欠かせないパーツのウェフティングでマシンメイドウィッグを作る

ウェフティングというものがウィッグ作りの基本パーツとなります。ウェフティングが綺麗にできることが、ウィッグ作りの決め手となっています。ではウェフティングの作成方法を確認しましょう。

好きな長さに切ったファイバーもしくは人毛を薄く並べてミシンで直線縫いをしていきます。直線縫いした端の方を二つ折りにし、髪がバラバラにならないように折り目から2mmくらいのところに再度ミシンの直線縫いをします。次に二つ折りになっている毛束の折り目に、ロックミシンやジグザクミシンをつけたらウェフティングの完成です。

できあがったウェフティングを、ウィッグの土台となるレーンやキャップにミシンで縫いつけていきます。このような行程を使ってウィッグが作られていきます。こちらはマシンメイドのウィッグの作り方となります。

毛を丁寧に手植えする植毛方法でウィッグを作る

ファイバーまたは人毛を一本一本手でウィッグキャップに植え付けてウィッグを作る手植えの植毛方法があります。高価なウィッグは手植えで作られていることが多くあります。

人間の毛の本数は約10万本から15万本といわれているので、そこから考えると、手植えのウィッグには、ファイバーまたは人毛が同等の本数が植毛されることになります。熟練の職人さんたちが、この膨大な数のファイバーまたは人毛を、一本一本丁寧に植えていきます。

ウィッグのサイズやスタイルにもよりますが、全て手植えを行うと、手植えの工程だけで大体20日〜30日間の日数がかかります。このように丁寧に作っているわけですから、高価なものになるのは納得できますよね。

さらに、付け心地も良く、通気性もいいため、ムレることもあまりありません。装着感もかぶっている感じがしないほど軽くて自然な感じがします。自然な感じや装着感を重視する方は手植えされたウィッグをおすすめします。

ウェフティングを使ったポイントウィッグの作り方

ポイントウィッグの作り方は、フルウィッグを作る時に使われたウェフティングが基本となります。ウェフティングをどのようにつけるか、どのように加工するかで、様々なポイントウィッグが生まれます。前髪ウィッグや襟足ウィッグなど様々な形のウィッグとなります。

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ウィッグを作るときに大事な品質管理

ウィッグを製品としてプロが作る場合は、様々な研究がなされ、開発されています。誰にでもフィットするウィッグネットの開発や、人工皮膚へのこだわり、人毛に限りなく近づけたファイバーの開発など、研究には余念がありません。

さらに、ウィッグを作る際に、毛髪を滅菌処理し、染色するなど、細かな行程があります。そのような細かな行程をきっちり行い、より良い品質のものを探求し続けるからこそ、上質なウィッグが出来上がるのです。

そして、ウィッグの髪を整える際には、つむじや分け目の毛の流れなどは、やはり職人が腕をふるうわけです。

最後に、一番大切なのはウィッグの徹底的な検品です。検品の妥協は許されません。このように様々な努力と、細心の注意が払われて作られたものが製品として世の中に出るのです。

ウィッグを長持ちさせるお手入れ方法と艶消しの裏技

ウィッグを洗ったりブラッシングしてお手入れをしよう

このように厳しい品質管理のもと作られているウィッグですから、正しいお手入れ方法も覚えておきましょう。特に頻繁に着用する場合は、外気からの汚れや汗・雑菌なども引き寄せるために、臭いの原因になることもあります。
せっかくウィッグでおしゃれをするのですから、ウィッグのお手入れもこまめに行うようにしましょう。

まず、最初にウィッグをブラッシングします。ブラッシングすることで逆毛やホコリを落とします。

ウィッグ専用のシャンプーリンスを適量加えた水を用意してください。お湯はなるべく使わないようにしましょう。耐熱性にしろ、非耐熱性にしろ、熱を加えると毛が痛んだり、カールがだれたりしてスタイルが崩れる原因となります。

水の中で優しく押し洗いしてください。そして、水でしっかりとすすぎましょう。
次に、乾いたタオルで水分をしっかりと取ってください。室内で寝かせた状態で自然乾燥させましょう。

完全に乾燥したら、軽くブラッシングをして形を整えましょう。
ウィッグ用のオイルなどを吹きかけてあげるとより綺麗な仕上がりになります。

気になるウィッグのツヤ消しにパウダー入りの制汗スプレーや柔軟剤を使う裏技

今のウィッグはツヤも自然になっていて、ツヤ消しが必要ないものもありますが、品質は様々ですので、ツヤが気になったらツヤ消しをしてください。特に購入したばかりのウィッグは、毛の表面がコーティングされているのでツヤが気になる場合があります。その場合は以下のような対処法を試してみましょう。

多くの人が使っているのが、パウダータイプの制汗スプレーです。パウダータイプの制汗スプレーを吹きかけると、ツヤが落ち着きます。
制汗スプレーをツヤの気になる部分を中心に吹きかけます。全体に吹きかけた後にブラッシングしていきましょう。パウダーで白くなったところもブラッシングすれば払い落とすことができます。

ワックスと併用することでより自然に仕上げることができます。ワックスの使い方は、手のひらに固めのワックスを少量とります。ウィッグ全体に揉み込むようにして指を通してくしゅくしゅしてください。こうすることでツヤ消しとヘアセットが同時にできます。但し、スプレーのパウダーとワックスの量が多すぎると成分のダマができたりベトベトしてしまうこともあるので、適量を使用するようにしましょう。

最後に対策として、柔軟剤を使用する場合もあります。柔軟剤の通常の使用方法で、ウィッグをつけ置くとツヤ消し効果が期待できます。

洗面器に水と付属のキャップの3分の1~2分の1くらいの柔軟剤を入れてください。ウィッグの長さや毛量によって量は調節しましょう。そこにウィッグを30分〜1時間ほど浸します。取り出したら、ウィッグが絡まないように注意して洗い流してください。
タオルなどで水分をしっかりととったら、室内で、寝かせた状態で乾燥させましょう。完全に乾いたら、ブラッシングで形を整えてください。

柔軟剤を使用する場合は、ウィッグの材質を確認してから使用できるかを判断しましょう。ウィッグのテカリはウィッグだとバレてしまう原因の一つです。より自然な髪を目指すのであれば、この一手間をかける価値はありそうです。

型崩れを防止するウィッグの保管方法

そしてウィッグの正しい保管方法も知っておきましょう。ウィッグは保管方法を間違ってしまうと、型崩れを起こしてしまうことがあります。変な癖がついてしまうと、ウィッグをかぶった時に不自然になってしまうのです。
ウィッグの正しい保管方法は、ケースに入れるか、ウィッグスタンドを使用してください。

ケースに入れる場合は、使用後、丁寧にブラッシングしてください。ケースに入れる際には、型崩れを起こさないように、ウィッグの中に紙などを丸めたクッション材を詰めるようにしましょう。
そして、毛先に癖がつかないようにUの字になるようにまとめてからウィッグのケースに入れましょう。

ウィッグスタンドを使用する場合は、まずは手ぐしで、からまりを大まかに解いてあげましょう。次にウィッグ専用オイルスプレーをまんべんなくかけてください。そして、毛先から優しくブラッシングしてください。ブラッシングする際も、通常のブラシではなく、ウィッグ専用のブラシを使うようにしましょう。ウィッグはファイバーの場合が多いので、人毛のブラシだと、静電気が起きやすくなります。

手入れしたウィッグをスタンドに乗せて保管しましょう。保護ネットがある場合は、スタンドにかける前にウィッグをネット内におさめると、毛流れも整った状態で保管ができます。

とにかくウィッグの保管には、型崩れをさせないことが重要になります。ウィッグは精巧なものになりますので、雑に扱うと、ウィッグの寿命も縮まってしまいます。長く使うためには正しい保管方法を心掛けるようにしましょう。

ウィッグスタンド

まとめ

今回は、ウィッグがどのようにして作られているのかを中心にご紹介しました。ウィッグが繊細に作られていることがわかれば、お手入れもしっかりとすることの意味がありますね。ウィッグの特性を知ってお手入れをすることで、ウィッグを長持ちさせましょう。

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